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[JAPAN WONDER PROJECT] Interview 加賀 棒ほうじ茶を学ぶ。

[JAPAN WONDER PROJECT] Interview 加賀 棒ほうじ茶を学ぶ。

石川県茶商工業協同組合所属茶師 織田聡 様:写真左 / 石川県茶商工業協同組合理事長 織田勉 様:写真右

石川県茶商工業協同組合所属茶師 織田聡 様:写真左 / 石川県茶商工業協同組合理事長 織田勉 様:写真右

一番茶の「茎」だけを使ったほうじ茶

―今回のフラペチーノ®は「加賀 棒ほうじ茶」ということで、普通の「ほうじ茶」との違いをまずは教えていただけますか?

織田聡 様(以下、敬称略):まず、加賀 棒ほうじ茶をお話しする前に、ほうじ茶はご存知ですか?
ほうじ茶というのは日本茶の中でも、緑色でないお茶です。
緑色のお茶は、煎茶、玉露、深蒸し茶などがありますが、
ほうじ茶は見た目通り、通常のお茶よりも火が強く入っております。
ほうじ茶というのは、香りを楽しむお茶です。
加賀 棒ほうじ茶はその中でも特に「茎」だけを使ったほうじ茶です。
茎と言いましても、一番茶の茎だけを使っていて、一番茶の茎というのは、特に柔らかく、栄養が豊富な希少部位になっております。
水分を豊富に含んでいるのでふっくらとした、そして浅煎りのお茶になっています。
加賀 棒ほうじ茶は、緑色とお茶本来の旨味を残しつつ、そして香りのあるほうじ茶本来の良いところを引きだしたお茶です。

織田勉 様

もったいないからということで、考え出したのが棒ほうじ茶です。

―「加賀 棒ほうじ茶」の「加賀」といえば「加賀友禅」などでもおなじみの金沢発祥とのことですが、どのようにしてここまで石川で発展して行ったのか、そのストーリーは奥深そうですね?

織田勉 様(以下、敬称略):これを語るには350〜360年遡り、江戸時代の話を少しさせていただきます。
金沢で棒ほうじ茶はできました。金沢は、加賀百万石と言いまして、大きい藩でした。
そこの、前田利常という第三代藩主がいらっしゃいました。その方がご隠居なさった時に、文化に力を入れられました。その文化の中に茶道と能楽がありました。
茶道を嗜むということになれば、加賀藩はお茶の栽培地ではなく山城や近江あたりから材料を仕入れてお茶を点てていました。
あるお茶屋さんが、「お殿様、そんなことばかりしないで、お茶の木を植えて下さいよ」とお願いしました。
それを受けて石川県の加賀地方から金沢のあたりまでお茶の大産地になりました。
もうひとつは、文化を大切にしたという流れがあります。
茶道や能楽はいろんな文化を引き寄せる力があると思います。
特に茶道は工芸。陶芸、漆塗り、金工、染織など、食文化を洗練させる力がある。そういうことがずっと江戸から現在にかけて伝わってきました。その土壌が加賀藩にあるのです。そういう繊細な香り、味というものを見いだせる感覚があったのでしょう。
江戸時代から明治にかけて、煎茶を製造している工程で、棒(茶の茎)はいらないものとして捨てていました。しかし、もったいないからということで、考え出したのが棒ほうじ茶です。
昔、煎茶は庶民には口には届かない高価なものでした。それを茶の茎を焙じることによって、飲めるようになりました。

織田聡:明治35年に棒茶がもったいない、という感覚から生まれました。
金沢の茶商がもったいないと思って焙じてみたらおいしかった。
その時期は安価なお茶として世の中に出回ったが、石川県の食文化、味覚が繊細な人たちがもっとお菓子や食事に合うものを作っていこうということで今の高級なお茶、加賀 棒ほうじ茶となりました。

棒(茶の茎)

―食事に合う「加賀 棒ほうじ茶」は、だし文化を大切にする金沢だからこそ定着したという説を伺いました。

織田勉:毎日飲んでいます。ご飯の後には加賀棒茶、お客さんがきて、お菓子と一緒にだすお茶は加賀棒茶。
料理屋さんに行っても、おでん屋さんに行っても、どこ行っても加賀棒茶が出されます。
私の小さい時、小学校の遠足の時には水筒にこのお茶が入っていましたし、子供が生まれたときに哺乳瓶の中に棒茶を入れて水分補給をしていました。
それだけ日常生活に密着したものです。
夏は冷たく、冬はあったかくして飲んでいました。
本当に、例えばお菓子を食べる、ご飯を食べる時に邪魔をしない。
食べ物を助けるような力があるかなと私は思っています。

織田聡 様

石川県のお茶の歴史には、まず刻まれることだと思います。

―実際にフラペチーノ®をお飲みになってみて、みなさん改めていかがでしょうか?

織田聡:一言で、まず、おいしいです。
この上のパウダーがいいですね。粉があることで、まず香りが引き立つかなと思います。
ゼリーもいい。飲み物というよりも、喉を潤しつつ、おなかにたまるので3時のおやつにいいですね。
僕、ホワイトチョコレートクリームが飲む前に気になっていました。
けっこう強いチョコレートの味がするのかなと思ったんですけれども、棒茶を邪魔しません。
まろやかになった感じですごく飲みやすいと思いました。

織田勉:新しい感覚でした。
それとですね、加賀 棒ほうじ茶の素材をそのまま活かされていることが、とても素晴らしいと思いますね。それと、加賀 棒ほうじ茶を3段階、3回楽しめるというところがいいですね。
香り、感覚、最後はまとめた加賀 棒ほうじ茶の味を楽しめる、本当に素晴らしいと思います。

―先ほどもいろんなお話をお伺いさせていただき、本当に歴史とストーリーが詰まったお茶なのだと「加賀 棒ほうじ茶」のことを知ることができました。
そんな「加賀 棒ほうじ茶」にとっても、このフラペチーノ®との出会いは、初めてのもので、また新たな歴史になったかと思うのですが、
このように今までにない形で「棒茶」が多くの人に渡っていくことはどのように思われますか?
また、このような新しい取り組みはお茶界にとっても影響のあるものになるでしょうか?

織田聡:石川県のお茶の歴史には、まず刻まれることだと思います。
お茶の文化というのを、語ろうと思ったら、伝統からはじまって、お茶の畑とかいろいろありますけれども、今日(こんにち)、お茶をペットボトルで日常で飲むことが文化になっています。スターバックスから石川の加賀 棒ほうじ茶を使ったフラペチーノ®が販売されたことで、日本全国に広めていただいて、新しいお茶の形としての文化になったらいいなと僕は思っています。

―日本国内のみならず、インバウンドのお客さんにも新しい日本の知らない文化を知ってもらう、そんなきっかけになりそうですね。
今までにないこういった形で「棒茶」が多くの人に渡っていくことはどのように思われますか?

織田勉:我々が日常的にいただいているものが、こういう形で発表されることが本当に驚きです。本当に有り難いことだなと思っています。
日本のみならず、世界に発信されて、世界の人に好まれるものになっていったら、本当に有り難いなと思います。

石川県を知るきっかけになってくれたら嬉しい

―加賀 棒ほうじ茶が世界に広まって、多くの方々に愛されるそんなお茶にもっともっとなったらいいなと思います。本日はいろんなお話を聞かせていただいてありがとうございました。最後に一言メッセージをお願いします。

織田聡:私の理念で、お茶の「茶」とかけて「茶レンジ」というものがあるんですけれども、スターバックスさんも今回の加賀 棒ほうじ茶 フラペチーノ®を通して、これからも「茶レンジ」をしていってほしいなと思います。
そして石川県を知るきっかけになってくれたら嬉しいなと思います。
そしてもっと、素晴らしいワンダーをみつけていってください。

織田勉:今日はありがとうございます。
テーブルには加賀友禅に似合うような立派な帯が敷いてあります。
屏風は金箔。金沢は全国の90%の金箔が生産されています。この和傘は加賀和傘ですね。
こんな素敵なセットのなかでお話させていただけて大変有り難いなと思います。
今「茶レンジ」という話がありましたが、お茶の「茶」という漢字は、草冠に人と、木と書いています。
真ん中に人があるということは、草と木に、自然に生かされて人間がある。
お茶というのは大切なものであるということを教えてくれる漢字じゃないかなと思います。
金沢から発展した、大切な加賀棒茶が、こういう風な形になっていくということは、みなさんを幸せにするのではないかと思っています。

KAGA BO HOJICHA

※掲載情報は、2018年5月29日時点のものです。