HELLOCOFFEE
コーヒーを量り袋に詰めるスターバックス創業者のジェリーボールドウィン、ゴードンバウカー、ゼブシーゲル
ローストとブレンド

スターバックスにおけるロースト(焙煎)の歴史

スターバックス創業のきっかけとなったのが、ローストの芸術です。創業以来ずっと、スターバックスのロースターたちはローストの芸術に挑み続けています。「スターバックス ロースト」と呼ばれる、スターバックスのロースト哲学を、歴史をたどりながら紐解いていきましょう。

スターバックスのローストのルーツ

1971年頃のパイクプレイスマーケットの第1号店の内部

1971年、スターバックスがシアトルのパイクプレイス マーケットで最初の店舗をスタートさせたとき、販売していたのはコーヒー豆のみでした。当初、コーヒー豆をロースト(焙煎)していたのは、アルフレッド・ピートです。

オランダ人コーヒー焙煎職人の息子だったピートは、1955年、生豆の輸入業者としてサンフランシスコにやって来ました。「世界で一番豊かな国に来たはずなのに、どうしてアメリカ人は最高にまずいコーヒーを飲んでいるんだ?」と自問したピートは、人々が風味のない缶入りコーヒーで間に合わせるのに慣れてしまったことに気づきました。新しい世代が注文に応じてローストされたアラビカ種のコーヒーを味わう至福の喜びを見出す時が来た。そう信じたピートが自ら焙煎したコーヒー豆を販売するために設立したのが、カリフォルニア州バークレーにあったピーツ・コーヒー&ティーでした。

ヨーロッパ風に深くローストされたピートのコーヒー豆。そのファンになったのが、大学の友人同士だったジェリー・ボールドウィン、ゼブ・シーゲル、ゴードン・バウカーの3人です。同じスタイルのスペシャルティコーヒーをシアトルで提供することを計画し、1971年に実現させました。
アルフレッド・ピートは、「コーヒーのおいしさを解き放つのは深煎りのロースト」「高品質のコーヒーはすべて標高の高い山で栽培されたアラビカ種」という強い信念を抱いていました。密度の低いロブスタ種のコーヒーはただ焦げてしまうため、厳しい深煎りローストのプロセスに耐えることはできません。しかし、高品質のアラビカ種はその熱に耐えられるだけでなく、熱を受けることで素晴らしさを発揮し、力強く驚嘆すべき風味を生み出します。

はっきりとしていて力強い、風味のしっかりしたピートのローストスタイルは、シアトルのコーヒー好きに愛されました。間もなく3人は、中古のコーヒー焙煎機をオランダから購入。手作業で組み立てた焙煎機を、シアトルの古いビルに設置し、自分たちでピートに匹敵するようなスペシャルティコーヒーのローストをはじめたのです。

ミルクと相性のいいエスプレッソ ロースト開発

後のエスプレッソローストをカッピングするデイブオルセン

アルフレッド・ピートとスターバックスの創業者に加え、スターバックスのロースト哲学に大きな影響を与えたもう一人の人物がデイブ・オルセンです。1975年、シアトル初のエスプレッソバー「カフェ アレグロ(Café Allegro)」を開いたデイブ。スターバックス創業者3人は、デイブが持つコーヒーへの情熱に感銘を受け、共同でエスプレッソ ロースト開発に挑むことになります。

デミタスカップに注がれたエスプレッソショットの写真

理想の風味にするために多くの試行錯誤を重ねた4人。努力は報いられ、はっきりとした力強さ、キャラメルのように甘い後味のあるエスプレッソ ローストが誕生しました。ラテ、カプチーノなどのスチームミルクと絶妙にバランスがとれ、エスプレッソショットとしてそのまま飲んでも、アメリカーノとしてお湯を加えても、おいしさが際立つエスプレッソ ローストです。

革命を起こした、ハワードのスターバックス ラテ

1982年、ハワード・シュルツがマーケティング マネージャーとしてスターバックスに入社しました。イタリアへ出張したハワードは、イタリアのコーヒーハウスの伝統をアメリカに持ち帰るというビジョンを思いつきます。それは、職場と自宅の間の「サードプレイス(第三の場所)」として、会話やコミュニティの感覚を楽しめる場所を作るというもの。ハワードは、一年かけてこのコンセプトを試すようスターバックスの創業者たちを説得しました。

ついに1984年4月、約28平方メートルのスペースを持つイタリアンスタイルのエスプレッソバーが開店。スターバックス ラテがお客様に提供されました。ところが、エスプレッソバーは「高品質なアラビカ種コーヒー豆の小売りという中核ビジネスから外れている」という意見が社内から出たため、ハワードはスターバックスを離れて自身のエスプレッソバー、イル ジョルナーレを開店します。

コーヒーハウス、イル ジョルナーレの経営を成功させた後、ハワードは当時シアトルの6店舗で成り立っていたスターバックスを買収。1987年3月、ハワードと彼の小さなチームは、次の5年間で125店舗のスターバックスをオープンすることを投資家たちに約束します。

コーヒーの鮮度を保つフレーバーロック™

コーヒーの鮮度を保つには欠かせないフレーバーロック™ 革命的なフレーバーロック™バルブ技術

1985年に登場したのが、ローストしたコーヒー豆の鮮度を守る、革新的な新技術です。ローストしたコーヒー豆は、空気に触れると、徐々に風味や濃厚さを失って味が劣化します。ローストしたコーヒーの鮮度を守るために開発されたのがフレーバーロック™です。風味を奪う酸素は遮断したまま、パッケージに付けた小さな丸い一方通行のバルブから、ローストしたてのコーヒー豆が放つ二酸化炭素を逃がすことができます。

当初は、卸売り客用のバッグのみにこの技術を採用していましたが、1989年、1ポンドバッグ(453g)にも採用しはじめました。これによって、遠方にも鮮度を保ちながらコーヒーを届けることができるようになったのです。

その後スターバックスの店舗数は年々増加し、1992年、約束だった125店舗を大きく上回る165店舗にまで成長しました。それはつまり、正しい方法でローストされたコーヒーがさらに必要になったことを表します。

ワシントン州ケントにあるスターバックスのロースト工場

ワシントン州のケントに設置されたロースト工場では、コンピューターを利用し、すべて一貫したプロファイルでローストできるようにしました。スターバックスのローストは長年の経験を持つ熟練したロースターが監視し続けましたが、コンピューターを利用したローストモデルの導入により、チームはローストの芸術を大規模に行う手段を手に入れたのです。こうした技術は、スターバックスの品質の一貫性を保つために非常に貴重なものであり、今もなお欠かすことはできません。

様々な好みに応えるためのローストへの挑戦

焙煎機でローストされるコーヒー豆

地域によって、好まれるローストには違いがあります。西海岸では深煎りのはっきりとした強いローストが好まれたのに対し、東海岸の人々は、より軽めのローストを飲むのに慣れていました。アメリカで販売地域を拡大するにつれ、スターバックスはより軽めのローストを好む人々にもアプローチしやすいよう、様々なロースト方法を探求しました。そこで生まれたのが、スターバックスが誇りに思える、アラビカ種のコーヒーの豊かな風味がしっかりと表現された軽めのローストです。

軽めにローストされたコーヒーが人気のロースト業者と手を組み、ローストの新たなアプローチを学んだスターバックスは、1998年、マイルダー ディメンションというカテゴリーの商品ラインを発売しました。ブレックファースト ブレンドなどが軽めのローストのラインナップです。その後、さらに軽めのローストが発売されたことで、ブレックファースト ブレンドは、今ではミディアム ローストに分類されています。

パイクプレイス® ロースト誕生ストーリー

店舗で毎日一日中いれられるコーヒーとして発売されたパイクプレイス®ローストのパッケージ

スターバックスのダーク ローストやオリジナルブレンドは、スターバックスのコーヒーのしっかりした風味を愛する、多くのロイヤルなファンを世界中で生み出しました。2000年代初頭までは、本日のコーヒーを日替わりで提供していましたが、お客様から「毎日楽しみにできる同じコーヒーを提供してほしい」というご要望がありました。

当初私たちは、カフェ ベロナ®やスマトラのようなダークではっきりとしていて力強いコーヒーを想定しましたが、お客様のご要望は「もっとなめらかでバランスのよいコーヒー」でした。毎日提供するコーヒーとしてお客様に受け入れていただける新たなブレンドを開発するチャンスです。私たちはお客様が店舗でコーヒーをどのように体験されるかを念頭に置きながら、30以上のレシピとローストカーブを試し、際立った1つのサンプルを見つけました。

そして2008年4月、スターバックス1号店パイクプレイスマーケットの名前を冠したパイクプレイス® ローストが発売されたのです。

ブロンド ローストの誕生。そして、次の一歩へ

複数のコーヒーをテイスティングする様子

1971年以降の数十年の間、スペシャルティコーヒーのローストという現象が拡大するにつれ、お客様は多くのロースト哲学に触れるようになりました。世界のコーヒー愛飲者の味の好みは広がり、軽めのローストを求める人も増えていました。とはいえスターバックスは、軽めにローストされたコーヒーの多くは酸味がきつく、コーヒーの他の特徴を圧倒してしまうように感じていたのです。私たちの意図は、ただローストを軽めにすることではなく、お客様がスターバックスに期待する濃厚でしっかりした風味を出しつつ、ローストの風味を目立たせないようにすることでした。

2011年、スターバックス ウィロー ブレンド®とスターバックス ライトノート ブレンド® という2つのブロンド ロースト コーヒーを発売しました。1年半にわたり、私たちは様々なレシピとローストを80数回検討し、ようやくスターバックスのコーヒーのラインナップに加えられる最新作を見出したのです。

味の好みは時代とともに変化します。実際に、ダーク ローストは再び人気を博しています。コーヒーと向き合う中で、最もわくわくするのが、高い品質や伝統を守りながら、イノベーションを求められることです。スターバックスは、コーヒーのローストの追求者として、進化し続けてきました。これからもそれは変わりません。

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