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アジア太平洋の地図イラスト
コーヒーの栽培

コーヒー生産地‐コーヒーベルトを巡る旅‐③アジア太平洋編

多種多様な気候と地形が広がるアジア/太平洋地域は、コーヒーベルトの三大生産地の一つです。火山や霧で覆われたジャングルが存在するこの土地でも、アラビカ種のコーヒーの栽培を発展させたいと、スターバックスは生産者をサポートしています。世界で最も異彩を放つコーヒーを生み出している、アジア/太平洋地域のコーヒー生産地をご紹介します。

コーヒーベルトを表すイラスト

驚くべき風味に出合える、8カ国の主なコーヒー生産国

スターバックスがこの地域で取り扱うコーヒーのほとんどは、しっかりしたコクと、大地を思わせるハーバルな風味で知られる、インドネシア産の半水洗式コーヒーです。さらに、パプアニューギニア産や東ティモール産のさわやかな風味のコーヒー、ベトナム産や中国産の水洗式のコーヒーなども取り扱っています。

アジア太平洋のコーヒー生産地マップ

南アジア(コーヒーベルトの北部)には、アラビア半島からコーヒー豆がこっそり持ち出された後、最初に栽培された土地の一つといわれるインドがあります。そこから東に移動すると、活火山の周囲に東南アジア各国のコーヒー農園が点在しています。

コーヒーがベトナムにやって来たのは1800年代のことです。フランス人が、ベトナム・ラムドン省の山々にコーヒーを持ち込みました。こうした山々では、中部高原の火山性土壌や冷たい霧など、コーヒー栽培に理想的な条件が整っていました。

東アジアでは中国のコーヒー生産量が多く、生産の中心となっているのが雲南省です。コロンビアやジャマイカなど、名高いコーヒー生産地域と同じ緯度に位置し、そびえ立つ山々、流れる小川、活気のあるコーヒーとティーのプランテーションが存在する亜熱帯の風景が特徴的です。

インドネシア:小規模なコーヒー農園が育む、力強いコクと風味

インドネシアは、赤道近くの海域で東西およそ5,100キロメートルに広がる数千の火山諸島から成り立っています。インドネシアの山岳地帯の特徴は、水田の上に高くそびえる黒みがかった火山の斜面や、霧に包まれた渓谷です。生産者たちは、ジャングルの肥沃な土壌と理想的な微気候が調和する高山で、コーヒーの芸術と技術に深く染まった文化を持つ先住民と共にコーヒーの木を栽培しています。家族単位で営まれる小規模なコーヒー農園が育てるのは、他の生産地では出合えない、力強いコクと風味をもつコーヒー豆です。

世界でも有数のアラビカ種の生産国であるインドネシアでは、伝統的な方法として、生豆を半水洗式で加工しています。農園がスターバックスのロースト工場から遠く、コーヒー豆が長い道のりを旅するにも関わらず、インドネシア産のコーヒーは世界中で愛されています。

スターバックスのインドネシア産のシングルオリジン コーヒーで、創業時からお客様やパートナーに愛されているのが「スマトラ」です。この他にも、多くのブレンドにインドネシア産コーヒーが使用されています。スターバックスは、インドネシアの生産者をサポートするため、2016年に北スマトラにファーマーサポートセンターを開設しています。

中国・雲南省:中国産コーヒーの中心地

中国のコーヒー農園でコーヒーチェリーを摘む様子

中国南部の東ヒマラヤの斜面には、川が高地を交差するように流れています。日中は温暖で湿った空気がコーヒーの木を温め、夜間は薄い空気がコーヒーの木を冷やすため、密度の高いコーヒー豆が育ちます。

雲南省のコーヒー栽培は、1800年代末にはじまりましたが、比較的小規模でした。今では、雲南地方の標高900~1,600メートルの複数の場所で栽培されています。コーヒー農園の規模は、小規模生産者から、20平方キロメートルを超える国営や私有の大農園まで様々です。

スターバックスは、高品質なコーヒーを栽培し加工するためのガイドラインであるC.A.F.E. プラクティスを利用して、雲南の生産者がコーヒーの品質と生産性を向上できるように、農法の改善をサポートしています。2012年に開設された、雲南にあるスターバックスのファーマーサポートセンターでは、多くの生産者に農法のトレーニングを実施しています。2009年には、雲南省産のコーヒー豆を含んだスターバックス初のコーヒー「サウス オブ ザ クラウド ブレンド」を発売しました。このコーヒーは、ハーバルでスパイシーな風味とまろやかですがすがしい酸味、程よいコクが特徴のバランスの良いブレンドです。

パプアニューギニア:奥地のコーヒーガーデン

パプアニューギニアは、オセアニアのニューギニア諸島の東半分を占める、世界で3番目に大きな島国です。多様な生物や文化、美しい海辺、サンゴ礁、内陸の活火山、密集した熱帯雨林で知られています。

都市環境の住民が人口の20%未満という、農村主体の国であり、大多数の人々は多様な先住民コミュニティや伝統的な部族の村々に暮らし、その土地の言語を話します。こうした人々のほとんどは、農業で生計を立てています。

パプアニューギニアのコーヒーの大部分は、高地で栽培された水洗式のアラビカ種です。そのほとんどが区画あたり20数本程度のわずかな木しか所有しない小規模生産者の「コーヒーガーデン」で、農作物と一緒に栽培されています。こうした奥地の農園に行くには、田舎道を通らなければならず、ただでさえ困難なコーヒーの生産と輸送を一層難しくしています。スターバックスのコーヒーバイヤーにとっても、この土地に出向くことは難題ですが、自然の美しさ、豊かで特色のある文化、コーヒーの格別な品質を思えば、赴く価値は充分にあると考えています。

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